※題名はネタではなくて事実なので、嫌悪感を持った人は見ることを控えるようお勧めします。
ぐつぐつ。ぐつぐつ。
沸騰した鍋で煮込まれている肉は食べるためのサイズに切り取られ、すでに何の肉か分からない。立ち込める湯気と香に食欲がそそる。もはや好奇心の方が大きく上回ってしまった。一体どんな味なのか。一応断っておきたいのは、犬を食べてみたい、と思っていたわけではない。実家では子供の頃から犬を飼っていたし、今も2匹の可愛いパピヨンがいる。犬は好きなのである。この旅の最中に犬を食べることになるとは思ってもいなかった。
なんでも食べるという広州で、一体どんな食材に巡り合えるのかをインターネットで調べていた。調べていた中に犬鍋を絶賛している人がおり、先入観で食べないというのは勿体ないと書いていた。そのときに犬を食べてみようと即断したわけではなく、いろいろな食べ物をさらに調べた中で最も美味しそうなのが犬鍋だった。
せっかくの機会だし食べてみよう。やっぱり先入観を取り払って試してみないと。そんな経緯で犬を食べてみることにしたのだ。実際に犬鍋を目の前にするまでは、好奇心以上のうしろめたさがあった。
ユースホステルに泊まっていたので、一緒に食べに行こうとまずは1人に声をかけてみた。すると、まるで鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして、本当に?、と聞き返されて拒絶。ありえねー、といった雰囲気に漂っていた。クジラを食べる日本人は野蛮だなんて世間で言われる中、犬も食べるなんて話になれば、日本人の風評を落としかねないので、これ以上声をかけるのは控えておいた。1人で行ってみるしかねえ。
そんなわけで煮えたぎる犬鍋が目の前にあるのだった。まさにいざ箸でつつかん、とするところでふと頭をよぎったことがあった。明治時代に豚肉が海外から入ってきたときも今の僕のような気持ちだったのだろうか、と。好奇心に勝るものはないのだが、そこにはちょっとしたうしろめたさや恐怖などが入り混じっていた。
口に運んでみると思った以上に柔らかかった。濃厚な鍋の味が効いており、噛むと肉汁がじゅわっと滲みだした。こいつはうまい。牛、豚、鶏肉の中では牛に近い感じである。文句なしに美味。
周りの人たちが野菜も一緒に頼んでいるのを見て、一番多く頼まれているやつを指さして頼んでいた。何という野菜か分からないけど、ちょっと苦味というか癖のある味がする葉っぱである。それを口にしたときに衝撃が走った。犬肉から出た濃厚な旨みが染み込んでいて信じられないくらいうまい。感動してしまった。
1人で全て平らげたが、かなりのボリュームがあった。濃厚な味なので最後の方は少々飽きがくる。2人以上で来る方が良いだろう。犬鍋を紹介していたサイトでは、残り汁に麺をぶっこむことがお勧めされていた。大勢ならそういう楽しみもある。
一度は食べてみてもいいと思う。犬。
食に関するおすすめの本
最底辺の食事から王様の食事、はては人肉嗜好まで。「食」の愉悦、深淵、その極北をあますところなく描きつくす、食の大全。
凄いものを食べたね…
表題を見て絶句。
でも明治時代に豚肉がはいってきた という話を聞いて
もしかしたら、近い将来日本でも食す時代が来るかもと
思った、犬を。
食料自給率が低い日本は、何でも食べる時代がやってくるかもしれないね。
こんにちは!
チリ&アルゼンチンの話題から飛んできました。
いいですね〜、自転車で世界一周!
へなちょこなんちゃってライダーとしては憧れてしまいます。
旅の途中、新潟にも来られることがあればぜひ寄ってください!どうぞ健康第一で美味しい旅を!
con besos,