メコン川沿いを自転車旅

国道13号線をパクセーからタケックに北上した。メコン川に沿って走るこの道は国土の80%が山であるラオスの中では数少ない平地である。舗装された道路に少ない交通量、のどかな風景と愛らしい人々に囲まれたこの道は、自転車で走るのに非常におすすめである。「いつまでも走りたい」と言った友人。僕も同じことを思っていた。

メコン川に沿って続いている国道13号線だが、実際にメコン川を目の前にする場所は限られている。今回のルートはタケックから北東に走りベトナムに抜けるので、メコン川を臨む最後の場所がタケックとなった。メコン河の夕日をどうしても見たいと考えていた僕は、タケックに着いた初日には曇っていて夕日が見れなかったため、もう一泊することにした。

話は別のことになるけれど、タイのバンコクで合流して一緒に走って来た友人とは、ラオスのパクセーから別々に走っていた。バンコクから2週間ばかりの時間を共に過ごし、別々で走るのもありだね、という話になっただけで、仲違いしたわけではない。ルートは同じなので、道中顔を合わせては、ラオス人はどーだ、飯はどーだ、どこ泊まった、などの話をしては、んじゃまた、といった感じで別れるのであった。

南米を走っているときに、スイス人のクリスやドイツ人のファルコ、アメリカ人のマイクやスロバキア人のレロンドともそんな感じで走っていたので、懐かしい感じがした。こういった走り方も面白い。バンコクで合流した友人はベトナムのハノイから日本への帰国チケットを持っており、ベトナムのハノイに向かう。僕もハノイ方面に向かう。道中に何度も顔を合わせているし、同じ道を走るのだからまた顔を合わせる可能性は高い。でもなぜかタケックで友人と会ったときに、この旅で再び会うことはないような予感がした。そして実際会うことはなかった。不思議なもので、こういった予感はよく当たるのだ。

僕がメコンの夕日を見るためにもう一泊した日の昼に友人はタケックを発った。その日の夕日が沈みゆくとき、友人と過ごした日々と次に会うのはいつかな、という想いが胸中を占めた。小学校のときに好きだった先生が僕への誕生日カードに「別れがあるから出会いがある」と書いたけれど、別れはやっぱりさみしいものだ。沈んでいくメコン川の夕日が対岸でぽつぽつと光るタイの建物を照らすのを眺めていた僕の心は、妙にしんみりとしていた。

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