[チベット旅行]8.雅江で公安(警察)による違法宿から移動とチベットの正月

雅江に20時頃に辿り着くと、暗い道の中で前を走っていた2人が忽然と姿を消した。警察に捕まっているのが見えたのでさくっとスルーしても良かったのだが、特に悪いことをしているわけじゃないので、僕もそこに寄っていった。一体なんなのだろう。どこから来た、どこへ行く、パスポートを見せろ、と一連のやり取りを数十分かけて終えると、「welcome to雅江」だとさ。仕事だから仕方がないのだろうけど、全然ウェルカムされている感じがしない。

そこが町の入り口だったので、中心部に入ってから声をかけて来たおばちゃんの宿に決める。自転車を運びこんで、と。その頃には体調も復活しており、今朝は不調だったにも関わらず無事に雅江まで来れたことを皆で讃え合った。

遅くなったが夕飯を食べに行き、チベタン(チベット人)の店を選んだ。康定あたりからは完全にチベット文化圏で、多くのチベタンが生活をしている。チベット文化圏にチベット自治区があり、自治区の方に入るのにはいろいろと問題があったりする。ここは四川省のチベット文化圏に属しており、気軽に旅が出来るのだ。

話は逸れた。入った店では停電となった中でも調理をしてくれた。トマトベースのピリ辛スープに、ひき肉、芋、ネギ、白菜など、多くの野菜が入ったこのスープがとても美味しくて、昼ごはんを食べていなかったこともあり、栄養が身体の隅々まで巡って行く感じがした。食べている途中に警察が来て、その後に宿に呼び込みをしたおばちゃんが来た。嗚呼、宿の移動か、、、

話には聞いていた。中国には外国人が泊まれる宿とそうでない宿があり、そうでない宿でも外国人を泊めてしまうところがある。だいたいはばれないから大丈夫なのだが、今回僕らは町の入り口で警察のチェックを受けていたので調べられたのだろう。

宿に戻り、荷物を再びパッキングして移動。めんどくさい。警察に連れられて合法的な宿へ移動する。連れていかれた宿ではオーナーらしき人と警察が揉め、しばらく待つ。2件目に移動してそこは警察署の目の前の宿だった。自転車を警察署内に置かせてもらった後、さらに何を待たされているのか分からないままに兎に角待つ。おそらくは宿の移動だけで優に1時間以上はかかり、部屋に入ったのは23時を過ぎていた。調子が悪かった今朝がずっと昔のように感じた。シャワーだけ浴びてさっさとベットに入ると、やはり無理をして疲れていたのかよく眠れた。

翌朝はよく漕ぐつもりで6時に起きた。標高約2700mの雅江から約4400mの峠を越えるのだ。体調も宜しかったので、さっさとパッキングを済ませて朝食を食べに行った。出発する準備が出来たのは8時前である。さて自転車は?そう、自転車は警察署の中。部屋から道路を挟んだ警察署を見てみると、開いてないし。昨日自転車を警察署に置かせてもらうときに、24時間開いていると言質を取ったにも関わらず、開いてないし。なんだよ、早起きした意味ないじゃんか。

結局9時まで待って自転車と再会。荷物を括りつけるときにキャリア取りつけのダボ穴が折れていることに気付く。以前にタイで溶接してもらったところ。昨日の下りは道が悪く、飛び跳ねるようにしていたからなあ。これは直してからいかないと。警察の人に直せるところを聞くと、「俺に任せろ、ノープロブレムだ。」と胸を叩いた。

直せる場所まで歩いて連れていってもらうと、そこでは無理だと言う。もう一軒あるが、そこは5km程離れている。地図を書いてくれれば自分で行くよと伝えたところ、ちょっと待ってろと携帯で何やら電話を始めた。待つこと数分。公安と書かれた白の車が僕らの前に到着した。これに自転車を載せて送迎してくれるらしい。こんなことにパトカーを使っていいのか!?

3人もの警察官が付き添ってくれて至れり尽くせりである。昨日の宿移動からやたらと好意的なのだ。移動した工場で前回のタイと同様、溶接してもらった。

ただ、、、
こちらは技術がなく下手糞だったため、キャリアのネジごと溶接してしまった。もう前キャリアが取り外せません。あーあ、まあ仕方ないか。まずは直って気兼ねなく走れることが第一だよね。そして今回も無料だった。有難い。

んで2人が待つ警察署に戻って再出発。町を出るときにもまた警察のチェックがあった。すでに顔見知りの人もいて、昨日3度もパスポート見せて書類を書いたのにまたかよ。どうやら3月はチベットの正月の影響もあって相当に警戒している様子。こりゃ難儀しそうだ。

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チベットの道

[チベット]1.全ては始まった
[チベット]2.まさか再び会えるとは
[チベット]3.何が足りないのかが分かった
[チベット]4.そうは問屋が卸さない
[チベット]5.必要な時間
[チベット]6.チベットとはこんなところだよ
[チベット]7.風邪+高山病+峠+夢
[チベット]8.警察に連れて行かれた
[チベット]9.思い込み
[チベット]10.標高4000mにて絶景の道
[チベット]11.チベット人の家に泊めてもらう
[チベット]12.出発して5分後にチベット人の家に招かれる
[チベット]13.鳥葬を見て死を想う
[チベット]14.勇気ある撤退と旅のパートナー
[チベット]15.チベット人の結婚式に参加
[チベット]16.浴室に泊まる
[チベット]17.チベットの家づくりに参加
[チベット]18.チベットの学校潜入







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管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。