自転車道の整備が医療費を削減し健康な社会を作る[ドイツチャリ旅]

遊びに来てくれていたヒトミちゃんとケイちゃんは川沿いの道を走りたいと言った。チェコのプラハにで、ドイツではどこを走ろうかと相談している中で知ったのはマイン川沿いの自転車道。見つけたサイトではドイツに張り巡らされた自転車道が紹介されていた。(サイトのリンクはこちら

マイン川沿いの自転車道を走ることになったのは川沿いの道ということに加え、チェコのビールの聖地ピルゼンと2人の帰国便の出発地であるフランクフルトを繋ぐ道だったからだ。マイン川沿いの自転車道へ行く途中に、年に一度の近隣パーティーで紹介したロバートの家があり、その自転車道から少し逸れた場所に南米を一緒にサイクリングしたファルコの家があったのだから、全てのピースがかみ合ったような自転車道を発見した気分になった。

だが実際のところマイン川沿いの自転車道を走った距離は短い。というのは、ドイツには自転車道が張り巡らされていたから。そこをわざわざ選ぶ必要もなかった。最終的にオランダに抜けるまで、大部分の行程で自転車専用の道があった。信じられなかった。

自転車乗りにとっては嬉しいことだ。日本も是非真似して欲しいと思ったが、平地が少なく山がちな日本で同様のことをするには敷地が足りないのかもしれない。ただ、自転車という乗り物に対する姿勢は見習っても良いと思う。日本では自転車は車両だから車道を走ることになっているが、その車道が狭くて危ないので歩道も走って良い、という中途半端な姿勢が、自転車の快適性と利便性を著しく損ねている。自転車の本当の実力を出せる環境が整えば、日本はより良い社会になるに違いない。

欧米ではママチャリというものを見ない。ある程度の値段(5万円以上)の自転車で舗装されたスピードの出せる道を走る自転車の速度と心地よさを、ほとんどの日本人が知らないと思う。欧米人の多くはそれを知っているから自転車を生活の多くの場面で利用するし、利用出来るような街づくりをして来たのではないか。ドイツ・オランダに来れば、自転車の後部のラックの両サイドにバックを付けて買い物をする人の数に驚くだろう。ファルコは自宅から20kmの距離のオフィスに自転車通勤をしている。彼が自転車を好きなのは事実だけれど、自宅から20kmが自転車通勤の範囲になるという事実。その道は安全で気持ちの良い道なので、毎日が清々しいという。

日常で自転車がもっともっと生活で使えるようになれば自動車の数が減る。自動車が減れば交通事故での死傷者数が減るはずだ。より安心して暮らせる社会になる。自動車の数が減れば渋滞が少なくなりストレスが軽減するし、経済にも多少は効果があるだろう。ガソリンの使用料が減れば、空気の汚染や燃料の輸入量も減る。空気の汚染が減れば肺がんなどの病気になる人が減るし、燃料の輸入が減れば世界経済が混乱したときに助かるし、経済的だ。自動車を乗る場面が自転車に変わるだけでメリットがいっぱいありそう。

日常で自転車がもっともっと生活で使えるようになれば人々が健康になるはず。運動が健康に良いという前提で。病気になる人が減れば、医療にかかる税金や、足りないと言われている医者や看護婦の負担も減る。普段から乗ることで、寝たきりの老人の数や体型を気にしてダイエットをする女性の数が減るかもしれない。それって社会全体の幸福が増えそうじゃん。

自転車社会って良さそうだと思いません?ちなみに全ての自動車を自転車に取って換える、という主張ではなくて、交通手段の主である自動車の割合が少しでも自転車になったらより良い社会になるのでは、という発想。そのためには自転車が生活の一部となり、より利便性を持つ必要がある。そのための工夫や街づくりに税金をかけても良いのは、とドイツを見て感じた。日本がドイツのようになれるとは思わないが、工夫の余地はいくらでもあると思う。これは後に行くオランダでより強く感じることとなる。巷ではサイクリングブームなんていっているようだけれど、週末サイクリングが増えるより生活で使える局面が増えるようになったらいいな、なんて考えた。

話は脱線したけれど、入国当初は兎に角ドイツ人の自転車への意識の高さには驚いた。ただ世界を回ってきた自転車乗りとして「ドイツがサイクリングをしていて最高の国か?」と問われたら、イエスと言えるわけではない。自転車道すげー、と初めはなったけれど、行きたい場所に行くのに結構迂回したり、案内を信じて走っていたら違う自転車道に紛れ込んでいたりといささか不便なところもあった。平坦な道は嬉しいが、長く続くと飽きる。ま、文句は幾らでもつけられるということで。しかし車に轢かれる心配が極めて少ないのは、本当にストレスレスだった。

ヨーロッパで最も訪れたかった国ドイツは、発見があり、再会があり、充実していた。ミュンヘンに住む、南極で仲良くなった夫婦のもとを通らずにオランダへ移動してしまったことが残念である。この旅の最中に再会出来るといいな。

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ドイツ初ビール。チェコからちょっと来るだけで値段は2.5倍に。びっくり。

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かわいい。

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自転車道の雰囲気良し。

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自転車道の案内。数多くあるため多方向に示される。

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キャンプ場もちょいちょいある。1人6ユーロくらいだった。

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車の恐怖がないので気が休まる。

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森で見つけた巨大キノコ。食べたら大きくなれるかも。

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自転車に犬を載せて走っている人を見かける。こちらはハンドルの前のバック。

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水場があるとキャンプが快適。

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自転車道がないところ。

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ファルコの家へ向かう途中の道。

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畑の横切る自転車道。

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こちらは牧場を横切る自転車道。

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道路に併設されている自転車道。

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アルパカ?ってヨーロッパにもいんの!?

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風車をちょいちょい見かけた。

ファルコ宅から1人旅になり、それから連日がっつり漕いでいた。今思えば、アムステルダムで自転車を盗まれるまでの相棒との最後のひとときだった。







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1 個のコメント

  • 大阪では、自転車で車道を通るには自動車、路駐が多く走れず、かといって歩道には人がごった返しているといった状況に嫌気がさす今日この頃、先日ラジオで、梅田と難波を結ぶ御堂筋に自転車専用道を作る計画があるというニュースを耳にしました。自転車ブームで台数だけが増えていき、それに対応する環境づくりが間に合わない日本、早くなんとかしてほしいですね。

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    管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。