[チベット旅行]4.中国ビザの1ヵ月延長は康定で可能

チベットを自転車で走る大きな問題の1つにビザがある。香港で1ヶ月ビザしか取れなったので、このビザをうまく使ってチベットを抜ける必要がある。中国はビザの1ヶ月間の延長は2回まで出来るので、それを活用しないわけにはいかなかった。

その際に気をつけることは、チベット自治区内では現状(2011年2月)まず延長が出来ないこと、とビザを延長出来るとされている町でも役人によっては出来なかったり、延長にかかる日数が即日の場合から1週間にわたるときすらあること。そういったことが適当な中国では最新の情報を得る必要がある。康定はビザを延長出来る町の中では今回のルートで最もチベット自治区に近く、ネット上で最近即日に延長したという情報があったので、ここで延長出来ると信じて向かっていた。康定で延長出来ないと非常にめんどくさいことになる。

ネット上の書き込みでは延長を行ったとき、中国に滞在出来る期間が+30日だったと書いてあった。この情報が真実であることを期待していた。僕の中国ビザは3月6日までで、ここから+30日の延長が出来ると4月5日まで滞在が許される。20日の成都出発から数えて46日間の日数がある。成都~中国ネパールの国境までは約3000kmあり、ビザ延長や高度順応の期間を除いて、1日70kmちょいで進めればなんとかなりそうであった。アップダウンの激しい標高3000~5000mの道だから未知数ではあるけれど、頑張れば行けそうな感じである。

25日に康定に着き26日にビザのことを朝一番で書類を揃えて尋ねに行った。ここで注意したいのは25日が木曜で26日が金曜ということである。土日は休みになるので、計画して金曜に行けるようにしていたのだ。これで即日+30日の延長が出来れば万々歳である。が、そうは問屋が卸さなかった。まずビザの延長は可能。金曜ということもあり、通常は1日かかるが即日で延長をやってくれる。しかし+30日ではなく、ビザ延長申請日から30日だということ。

さて、どうするか。26日の今日に申請する必要はなくなった。幾つかの方法を思案した結果、

○方法1 
このまま走り続け、ビザが切れる3月6日までにバスで康定に戻ってきて延長。そしてバスで再び自転車で走ったところに戻り、再度走行開始。メリットは成都~ネパールの全てを自転車で走れること。デメリットはスケジュール的にかなり厳しいので1日に走る距離も多い。またバス代が結構馬鹿にならない。高度順応の時間も十分に取れない。自転車や荷物を安心して置ける宿探しが必要。

○方法2
このまま康定に留まり高度順応。そしてバスを使ってチベット自治区手前まで行き、そこから走行開始。メリットは康定(標高約2600m)で高度順応可能。チベット自治区内全走可能。デメリットはチベット自治区手前の巴塘(バタン)からネパールまでは約2100km程度あり、ビザ延長から翌朝のバスを捕まえて1日移動すると、実質走行期間は即日延長が出来て28日間か、翌日延長だと27日間。休むことなく走り続けてぎりぎりか。

○方法3
康定から走り始めてチベットの州都のラサでネパール行きのツアーを捕まえる。メリットは康定(標高約2600m)で高度順応可能。成都~ラサ間を全走可能。デメリットは康定~ラサまで約1850kmあり、ラサでの時間が意外にない。ラサでツアーをうまく見つけられないとネパールに抜けられない。また、ラサ~ネパールのツアーが高い。

金曜の朝にビザが+30日でないことを知ってから、地図と標高図とにらめっこしながら考え続けた。途中で会ったフランス人とロシア人の2人とも近いペースで走っており同じ宿に泊まっていたので、お互いどうするかを情報交換しつつ相談した。方法1~3の複合案まで視野に入れて検討していたので、絡まった糸がほどけないような感じで、思考と気持ちが纏まらない。結局土曜の夜までかけて悩みぬいた。

方法1はリスクが高い。自転車旅の良いところとして交通費がかからないところが挙げられるのに、バスで往復するのが腑に落ちない。しかも片道12時間の道のり。タイムリミット付でさらにぎりぎりの旅を1ヶ月以上に渡る長期間やりたいとは思わなかった。なので方法2と3でどちらにするかというところで、方法2を採用することにした。4月頭にネパールで友人と会う約束があり、それを自力で叶えられそうなところと、同様に魅力的な案ならば値段が安い方にしようと思ったのだ。

決断してしまえばすっきり。が、次の日にそれを覆す事実が発覚するのである。

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康定で出会った2人のサイクリストと落ち合う予定だったユースホステルは旧と新の2つがあった。僕は旧の方へ行ってしまった後に新があることを知り、そちらで待たせてもらった。するとそこのオーナー家族がすごく良い人達で仲良くなった。夜ごはんも一緒にどう、と食卓に呼ばれる。実はこの家族はチベット人なので、並んでいるものはチベット料理である。ちょっとくせのあるものが多いが、美味しく頂いた。最後はバター茶で締める。これも慣れるとなかなかうまい。

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結局2人もユースホステルの旧の方に来たため、そちらで再会。一緒に飯を食べに行ったりして、ビザを踏まえた今後の予定について話し合ったり、全然関係ないことをだべっていたり。

チベットの道

[チベット]1.全ては始まった
[チベット]2.まさか再び会えるとは
[チベット]3.何が足りないのかが分かった
[チベット]4.そうは問屋が卸さない
[チベット]5.必要な時間
[チベット]6.チベットとはこんなところだよ
[チベット]7.風邪+高山病+峠+夢
[チベット]8.警察に連れて行かれた
[チベット]9.思い込み
[チベット]10.標高4000mにて絶景の道
[チベット]11.チベット人の家に泊めてもらう
[チベット]12.出発して5分後にチベット人の家に招かれる
[チベット]13.鳥葬を見て死を想う
[チベット]14.勇気ある撤退と旅のパートナー
[チベット]15.チベット人の結婚式に参加
[チベット]16.浴室に泊まる
[チベット]17.チベットの家づくりに参加
[チベット]18.チベットの学校潜入







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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のたかです。1984年4月20日生まれ。不動産会社での開発業、自転車世界一周、地域おこし協力隊を経て、愛知県新城市の古民家で宿泊事業をはじめました。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。